本当の心理セラピー(心理療法)って、なんでしょう。
『困った時に答えを教えてくれるのがセラピー』?
『話を聞いてくれて、スッキリするのがセラピー』?
『癒してくれるのが、セラピー』?
セラピストを『困った時に助けてくれる人』と捉えている方は、多いように思います。でも、本当のセラピストは、あなたに答えを教えるようには助けてくれません。
それは、あなたを助けられるのがあなた自身しかいないからです。
困った時に、もしセラピストが「これをやってみてください」とか、「こうしたら治りますよ」と言ったとしましょう。そしたら、その人は、きっとセラピストではありません。それはその人の意見の押し付けであって、本当にあなたが必要なことを見出してはいません。偶然当たることはあるかもしれませんが。
もしかしたら、セラピストがあなたの話を聞きながら「〜するのを試してみるのはどうでしょう?」と提案することもあります。でも、それをするかしないかを決めるのはあなた自身になります。断ったからといって、セラピストが気分を害するようなこともありません。
心理セラピーとは、「あなたが自分の答えを見つけるのを助けるプロセス」になります。基本にあるのは、個人の中に必ず求める答えがあるという考えです。
近代社会に生きていると、人は外に答えを求めがちです。悩んだ時にためになりそうな本を読んでみたり、セミナーに出てみたり、友達に相談したり。それで答えが出れば良いと思います。スッキリ良い状態で暮らせるようになるかもしれません。でも、もしそうでない場合に、自分で責任を取らず、誰かや何かのせいにしてしまうことが多くないでしょうか。
大切なのは、自分に問いかけるという事。セラピストは、あなたが必ず自分の答えを見つけられると信じています。ただ、そのお手伝いをさせていただく、それが本来の心理セラピーになります。
自分で答えを見つけるということは、自分の選択に責任を持つことでもあります。もちろん、それが怖い人も多いと思います。人のせいにして逃げていれば、楽ですよね。でも、それで本来あるべき自分として、自分の生きていると言えるでしょうか。セラピーは、自分の足で歩くのをお手伝いするプロセスでもあります。
心理セラピーが毎回癒しになるかというとそうではありません。プロセスの中には、自分の問題が明らかになってきて悩みが深くなる時もあれば、気分が落ち込む時もあります。セラピストはそういった時の対処法も知っています。
前回のブログで、どんな時にセラピーを受けますかという話を書きました。もし、何か日常で引っかかることが出てきたら、外に答えを求めず、自分の中に答えを求めてみませんか。
あなたの探している答えは、必ずあなたの中にあります。
吉原奈美
2018.12.20